測定機器管理台帳 ~品質管理の要~
- SOKADA
- 2023年10月6日
- 読了時間: 6分
更新日:1月24日

はじめに
測定機器管理台帳は、多くの産業や組織において重要な役割を果たすものであり、その重要性を理解し、適切に管理することはビジネスの効率性や品質管理に大きな影響を与えます。
この記事では、測定機器管理台帳の重要性その目的そして効果的な管理の方法について詳しく探っていきます。測定機器は、製造業、医療業界、研究機関などで広く使用され、その正確性と信頼性は品質管理に欠かせません。
ISO9001などの品質規格を認証取得している、していないに関わらず、計測機器、測定機器の管理をし、維持することは品質管理の要であります。事業規模の大小に関係なくぜひ管理台帳を作成し、維持管理をして会社の成長に繋げて行っていただけたら幸いです。
1: 測定機器管理台帳の基本
1.1 測定機器管理台帳とは?
測定機器管理台帳とは、組織が所有するすべての測定機器に関する情報を一元化し、維持管理するための帳簿です。これには各測定機器の固有の識別情報、購入日、校正履歴、保守記録などが含まれます。
この測定機器管理台帳は品質管理の基盤であり、品質管理、製品やプロセスの改善、コンプライアンス、および予防保全活動の効率を向上させます。
1.2 測定機器の種類
測定機器は、さまざまな種類があり、それぞれ異なる用途に適しています。一般的な測定機器の例には、次のものがあります。
• 温度計および温度計
• 圧力ゲージ
• 長さ測定器(ノギスやマイクロメータ、コンベックスなど)
• 分析機器(スペクトロメーター、クロマトグラフィー装置)
• 医療機器(血圧計、体温計)
これらの測定機器は、品質管理、製造プロセスの監視、科学的研究、医療診断など、さまざまな目的で使用されています。
また、測定機器の正確性は、正確なデータの収集と品質の維持に不可欠であり、組織の信頼性を高めます。
2: 測定機器管理の必要性
2.1 品質管理と測定機器
品質管理において、測定機器は品質基準を満たすために欠かせません。製品の品質を保つためには、製造工程でさまざまなパラメータを測定し、制御する必要があります。また、最終的な出荷検査時も同様です。
測定機器の不正確さがあると、製品の品質に問題が生じ、不良品の生産やリコールのリスクが高まり、さらにはコストの増加にもつながります。
2.2 規制と規準
多くの業界では、測定機器に関する規制と規準が存在します。これらの規制を遵守し、正確な測定機器を維持することは法的要件を満たすために不可欠です。規制機関や認定機関による監査が行われ、測定機器の正確性とトレーサビリティが確認されます。
3: 測定機器管理台帳の作成と点検保守
3.1 測定機器の台帳作成
測定機器管理台帳を作成する際には、以下の情報を収集し、記録する必要があります。
• 測定機器の固有の管理番号
• 測定機器の名前、
• 測定機器の型式、モデル名等
• 製造番号
• 購入日
• 保管場所や使用場所
• 管理担当者
• 校正周期
• 校正期限
• 校正証明書等の有無
測定機器理台帳の作成と更新は、測定機器の追跡と保守を容易にし、効率的な品質管理を実現します。
3.2 校正と日常点検
ISO9001「7.1.5.1 監視及び測定のための資源」でも測定結果の妥当性・信頼性について定められていますが、ISOを認証取得していない企業であっても、測定結果の妥当性を保証できるような体制を維持することは至極当然のことであり、全ての製造業者がやらなければならないことです。
いくら製品の検査成績書を付けたとしても、校正記録の無い測定機器で検査した製品には、何の妥当性もありません。いまだに、少なくない数の中小企業の製造業者は、この認識が欠如しており非常に残念に思っています。
測定機器の正確性を保つためには、定期的な校正と日常点検が不可欠です。校正とは、測定機器の指示値(出力)を標準と比較し、誤差を確認するプロセスです。日常点検とは、測定機器が正常な状態であることを確認・維持することであり、清掃や給油等の保守も含まれます。
これらを組み合わせて、測定結果の妥当性を維持していくことが品質管理の基本と言えます。そのためには、測定機器管理台帳を活用し、計画的な校正と日常点検の実施、そしてその記録がとても重要です。
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4: 測定機器管理台帳の効果
4.1 費用削減と効率性向上
測定機器管理台帳を適切に維持することは、組織に多くの経済的利益をもたらします。正確な測定機器は、製品の品質保持に貢献し不良品の生産を減少させます。また、日常点検や定期的な校正により、機器の寿命を延ばし交換コストを削減できます。これにより、トータルコストが低減し効率性が向上します。
4.2 品質向上
正確な測定機器は、製品の品質向上に大きく貢献します。また、品質の一貫性を維持するために重要な役割を果たします。不正確な測定機器によって引き起こされる品質問題や不良品のリスクを軽減するために、測定機器の正確性は常に維持されるべきです。
5: 測定機器のトレーサビリティとセキュリティ
5.1 測定機器のトレーサビリティ
測定機器のトレーサビリティは、測定結果の信頼性を確保するために不可欠です。トレーサビリティは、国家計量標準で校正されている2次標準や3次標準での校正の連鎖により確立されます。つまり、測定機器の測定結果が、特定の標準に対してトレース可能である必要があります。
測定機器のトレーサビリティを維持するためには校正を定期的に行い、計量トレーサビリティを証明する書類を保存しておく必要があります。
5.2 データの保護とセキュリティ
測定データは機密性が高い場合があり、適切な保護が必要です。セキュリティ対策を実施し、データの漏洩や改ざんを防止するために、アクセス制御やデータバックアップの戦略を策定することが不可欠です。また、データの保存期間に関する規制を遵守することも大切です。
おわりに
この記事では、測定機器管理台帳の基本的な知識から、その重要性、管理の方法、効果について詳しく説明してみました。
測定機器の管理は、品質や効率性向上に不可欠であり、適切に管理することは組織に多くの利益をもたらします。測定機器管理台帳の導入と維持は、ビジネスの成功に向けた重要な一歩です。
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