ノギスの校正:(社内校正の方法)
- SOKADA
- 2023年9月16日
- 読了時間: 4分
更新日:2023年10月10日

これからノギスの校正(社内校正)を始めようと思っている方、
何から手をつけていいのか、悩んでいませんか。
私も数年前に同じように悩みました。
そこで今回はノギスの校正(社内校正)の方法を紹介していきます。
今回は小さな会社で、ISO9001やその他の品質規格の認証取得されてない企業向けの記事となります。
もくじ
1.作業の標準化、文書化
簡単に言ってしまえばルール作りです。
品質マニュアルや品質管理規程などの上位文書がある場合には、その関連文書となる
測定機器管理規程や手順書を上位文書の作成者や、品質管理部門と調整して作成していきます。
これから始めようとしている方のほとんどの人は、上位文書のない事業者かもしれません。そういった場合にはこれを機に、少なくとも測定機器管理規程と、測定機器管理手順書などを合わせて作成してしまったほうがいいかもしれません。
文書を作成するのが苦手でなかなか書き始められないかもしれませんが、小規模事業者であれば最初は箇条書きで充分です。やるべきことと、やってはいけないことなどを書いて他の従業員に周知させることからスタートしましょう。
また、校正手順書を作成し作業者が変わったとしても、同じ結果になるようにする事もとても重要です。
そうは言ってもなかなか難しいと思いますのでこちらに測定機器管理規程と測定機器管理標準のテンプレを書きましたので参考にしてください。
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2.基準器(標準器)の準備
基準器に関しては、ミツトヨから販売されている「キャリパチェッカ」という専用の基準器を用意します。上に貼ってある画像に写っている物です。300mmと600mmがありますので自社のノギスの長さによって選択してください。専用の木箱も同時購入することをおすすめします。購入するときは、校正証明書付きで購入することを忘れないでください。
基準器は、使用頻度が多ければ半年から1年に一度外部校正を行ってください。頻度が少なければ2〜3年に一度外部校正をしてください。
3.環境の準備
多くの小規模事業者にとって恒温室を用意することは、簡単ではありません。ノギスのように精度要求があまり厳しくない物であれば常温環境下で校正を行っても問題ないと考えます。
実際、「精密測定入門」(ミツトヨ計測学院 須賀信夫 著)にも、
"目量や器差がそれほど厳しいものでなければ常温で充分である。"
や、デジタルノギスを校正している写真付きで
"上のノギスは分解能が0.01mmなので温度を気にする必要はあるまい。"
また、注意点としては、
"外から持ってきた温度の異なる測定器ををいきなりキャリブレートするのではなく、しばらく時間を置いて温度慣らしをする必要がある。"
と記載がある。
ちなみに
常温とは、5〜35℃
常湿とは、45〜85%
になります。
4.校正作業
校正作業は、前述したキャリパチェッカを標準器として使用します。下記の写真の●のように、外側ジョウの先端、中心付近、根元付近の3ヶ所、内側ジョウは2か所で測りその内の最大の誤差をそれぞれ記録します。
例えば、外側ジョウで20.00㎜を測定し、20.01、20.00、20.02 となった場合は、最大の20.02を最大誤差として記録します。内側ジョウも同様に記録します。

実際には合否判定が必要になりますので、測定機器合否判定基準と照合し、合否判定を行います。
5.管理台帳に記録
検査成績を管理台帳に記録します。管理台帳はエクセルなどで作成したものでも構いませんが、ぜひ専用のアプリ【SOKADA】を利用ください。日常点検から校正管理まで簡単に記録することが出来ます。
とくに日常点検はタップするだけ。簡単に記録できますので、毎日の作業が負担になりません。
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